ネコと家族とカメラの日記

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ぷら小屋

多摩川

私は釣りが大好きだ。
10歳の頃から始めて色々な釣りをやってきたが、今は川では渓流釣り、海では落とし込み釣りが定番になっている。

私が社会人になってしばらくの間、まだ独り者だった頃だ。ヘラブナ釣りばかりをしていたときがあった。
ある同僚がヘラブナ釣りをしてみたいので教えて欲しいと言われたためだった。

その人は女性だ。
ヘラで女性とは珍しい。
数の出る船釣りや手の汚れにくいルアーなどはどうかと勧めたが、生き餌を使わずにゆっくり座ってのんびり出来るヘラがいいという。
まあ実際はヘラはのんびり出来るモノではなく、年中ウキを見て集中しているモノなのだが本人の意志は固かった。

ヘラブナは金がかかる。
ヘラ竿、竿受け、竿かけ、玉網、ヘラウキ、いずれも上を見たらきりがない。
それなりのモノで揃えれば軽く10万は超えるのは当たり前の世界だ。

取りあえず私の使っていた道具を一通り貸した。
竿は振り出しの15尺カーボンを選ぶ。
川辺の釣り場でいきなり竿を振って穂先を出したのはかなり焦った。
後で穂先をしまうのにえらく苦労したが、本当に釣りに関してはまったくのド素人だった。

案の定、釣りを始めてもウキを注視するわけでなく、とりとめのない雑談ばかりである。そんな状況でもなんだかんだで、彼女は鯉を含め10匹程を釣り上げた。
以外と素質あるんじゃないか?

当時、女性ヘラ師は珍しかったのであろう。ヘラオヤジ達が何かと声をかけてナンパしてくる。
彼女はそんなオヤジ達を軽くあしらって、退散させていく。
大したモンだと内心舌を巻いた。

1年程彼女を連れて釣りに出かけた。
四季に応じた釣りも経験できたであろう。

そんなある日、彼女は突然病気になった。
もちろん釣り行脚は中止となる。

そして数年間の闘病生活ののち彼女は他界した。

この間、久しぶりに自宅の書斎を掃除していたら当時使っていたウキが出てきた。
懐かしい….。
ふと彼女の事を思い出した。

彼女が元気だった頃に、ウキをプレゼントされた事がある。
それは緑と白のツートンストライプのトップを持ったヘラウキだった。
「可愛いでしょ」と渡されたそれはナイター用の蛍光ウキであったが、昼間でも愛用させてもらった。
実際昼光でもかなり見やすかったのだ。

だが、何故かそのウキだけが見つからない。
明け方までずっと探していたのだが何処にもない。

彼女と同じように消えてしまったのか。

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